「これ18金なんです」
今日は朝天気が微妙だったし、「東京アメッシュ」で雨の状況を見たらまだ振ってきそうな感じだったので、バスで駅まで行くことにしました。
でもそれが完全に間違いでした。
なぜなら今日は会社近くでフットサルをやる予定があり、それが終わるのが22時。
地元の駅に帰ってくる頃にはもうバスはあまりありません。
案の定、僕が地元に帰ってくるとバスはもうほとんどなく、次のバスまで30分も待たなければなりませんでした。
駅から家までは歩いて30分。
バスを待って帰るよりも、歩いて帰った方が早い計算になります。
歩くのは嫌いじゃないので、僕は歩いて帰ることにしました。
音楽を聞きながら歩いて、半分くらいまできた時、向こうから一人のお爺さんが歩いてきました。
気に留めることもなくすれ違おうとした時、何やらお爺さんが僕に話しかけているようでした。
僕は結構な音量で音楽を聞いているので、最初話かけられてることに気付かず通り過ぎてしまおうとしてしまいました。
でもお爺さんの様子に気付きイヤホンを外すと、
「駅はこっちで合ってますか?」
お爺さんが尋ねてきました。
「そうですよ。ここ道なりに行けば着きますよ。ちょっと歩きますけどね」
「あ~そうですか。あの、ちょっといいですか?」
「はい?」
「あの私、財布を落としてしまって。家がH市なんですけど、電車代がないんですよ」
「はぁ・・・」
そしてお爺さんは突然腕まくりをして、手首に身に付けたアクセサリーを僕に見せて言いました。
「これ18金なんです。後でお宅に書留で送りますから、お金貸してくれませんかね?」
「いやいやいや。そんなのいらないですよ!どうせ駅まで行けば交番ありますから。お巡りさんに事情説明すれば電車代くらい貸してくれますよ」
「いやホントにこれ18金なんですよ?差し上げますから」
そう言うとお爺さんはその「18金」を外そうとしました。
「いやいや!ホントに!いらないですから!」
僕が強く断るとお爺さんは歩き出すと同時に言いました。
「じゃあいいですよ」
お爺さんはまた駅の方へ向かって歩いて行きました。
さてどうなんでしょう。
僕の判断は正しかったのでしょうか。
お金貸してあげるべきだったのでしょうか。
「18金」をもらうという選択肢は有り得ないとしても、お金を貸すってのは、まぁ完全に無しってわけではないでしょう。
ただ僕は正論を言ったまでです。
駅に向かっている人に「電車代を貸して」と言われたが、駅に行けば交番があるから、「お巡りさんに借りた方がいい」とアドバイスした。
実に論理的だと思います。
ただここで思うのは、困ってる相手に論理的に返してどうするんだということです。
論理的でないことをお願いするから「頼み事」なのでしょう。
だからそこは論理を無視して相手の頼みに応えるのは有です。
でも今回のケースでは僕はその選択はしなかった。
なぜなら、僕にはあのお爺さんが本当に困っているように見えなかったからです。
そして何より、すぐ「18金」に物を言わせようとする態度が気に食わなかったからです。
正直、老人相手に冷たいようですが、調子乗るなよと思いました。
だから僕は「交番に行け」と言ったのです。
でもお爺さんが実はめっちゃいい人で、あの時は本当に困ってた可能性だって否定できません。
だから僕は自分の判断が正しかったと自信を持って言えるわけではないのです。
こう色々言うのも、もしかしたら僕が冷たい人間であることを認めたくないがためなのかもしれませんし・・・。
ただ、「じゃあいいですよ」の捨て台詞に腹を立てた僕が僕であり、僕が僕である限りきっとあの判断しかできないのだろうとも思います。
何はともあれ、滅多にできない貴重な体験だったと思います。
あなたなーらどうするー?
★★ 本日の英語 ★★
You can blame me for the way things used to be.
BETTER LUCK NEXT TIME「WITHOUT YOU」(アルバム「BETTER LUCK NEXT TIME」)より
きっとお爺さんが本当に困ってたのだとしたら、さぞかし僕を恨んでいることだろう。
電車代くらい貸してくれたっていいじゃないかと思っているのかもしれない。
それならそれだ。
別にそれで人から嫌われたって僕は構わないさ。
↑よかったら押して下さい
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- ブログ引っ越しました(2012.01.02)
- 新年(2012.01.01)
- お酒の失敗を振り返る(2011.12.26)
- 結婚式を振り返る(2011.12.25)
- 2011年を振り返る(2011.12.24)
コメント