« 世界は「くだらない」で満ちている | トップページ | 後輩を大切に »

2009年3月27日 (金)

残業時間は語る

残業0時間は語る。

「定時に帰るのが当たり前じゃないか。定時に帰れる俺が偉いんじゃない、凄いんじゃない。定時に帰れない状態を作り出す会社がおかしいんだ」

 

残業20時間は語る。

「うちは普通の会社より1時間就業時間が短いから、これくらいは残業しなきゃね」

 

残業40時間は語る。

「これくらい普通でしょ。みんなこれくらい残業してるよ」

 

残業60時間は語る。

「もう毎日仕事が多くてさ~。本当、早く帰れる人がうらやましいよ~。いいな~、仕事が少ない人は~」

 

残業80時間は語る。

「仕事は自分で取りに行くもんだ!仕事は、自分で面白くするもんだ!お前ももっと積極的に仕事を取りに行け!俺みたいにバリバリ働け!」

 

残業100時間は語る。

「・・・俺なんで働いてるんだろう」

 

残業120時間の妻は語る。

「主人は会社に殺されたんです」

 

 

残業をしている会社員は、残業をしていない会社員に、とっても厳しいのです。

きっと、自分の苦しみを他人にも味わわせたいのです。

全く同じ業務量の二人がいたとして、さらにお互いの業務量を詳しくは知らないとして、一人の残業時間が0時間でもう一方が20時間なら、20時間の方は平然と0時間のことを攻撃するでしょう。

「あんたももっと働きなさいよ!」

いくら頑張って仕事を早くやって定時で帰っても、“暇”と捉えられ、あるいは“仕事ができる”と捉えられ、新しい仕事が振ってくるでしょう。

 

「何だか、むなしくなっちゃったんすよ」カズは恥ずかしそうだった。

「俺ね、自分で言うのも何ですけど、結構、まじめに仕事をやっていたんすよね。集中して、効率的に。で、残業しないで、定時に帰って」

「偉いじゃないか」

「偉かったんすよ。でも、年上の先輩とかはだらだらやって、残業ばかりして、で、残業代もらってるんすよ。でもって、早く帰る俺は、仕事が足りないと思われて、次から次へに新しい仕事を割り振られるんすよ。ゆっくりやってる奴は仕事が増えないで、っていうか、逆に減ったりしてますからね。不公平っすよね。残業代だって、税金から出てるのに」

         ~伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』より~

 

僕は幸い、新しい仕事がばんばん振ってくるということはないが、昨日、何かの会話の流れで「俺は仕事ができるわけじゃない。みんなよりも仕事が少ないだけだよ、きっと」ということを言った。

それを聞いた副部長が「ふ~ん、仕事少ないんだ。“分かりました”」と、「じゃあ仕事増やしてやるよ」という脅しにもとれる発言をしてきた。

僕はとても怖かった。

これが会社か、と思った。

 

 

ではまた。

 

 

|

« 世界は「くだらない」で満ちている | トップページ | 後輩を大切に »

「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/146160/28827208

この記事へのトラックバック一覧です: 残業時間は語る:

« 世界は「くだらない」で満ちている | トップページ | 後輩を大切に »