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2009年5月16日 (土)

村上春樹『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド(下)』

を読み終えた。

 

下巻はやっぱり上巻よりも面白かった。真相が明らかになっていき、主人公に選択が迫られる。そして主人公の選択と、物語の終わり。「何でもあるが、何もない世界」か、「憎悪と喜びの世界」か。

意味の分からない話もあったけど、最後のほうは理解しやすい、けっこう人間臭い部分が多かった。

読み終わって僕は思った。村上春樹の小説は、料理を作りすぎだ。

 

さて、また折り目を付けたページから一部を紹介。

 

「簡単だよ。彼らは穴を掘りたいから穴を掘っているんだ。それ以上の目的は何もない」

僕はパンを噛みながら、その純粋な穴について考えをめぐらせてみた。

「彼らはときどき穴を掘るんだ」と老人は言った。「たぶん私がチェスに凝るのと原理的には同じようなものだろう。意味もないし、どこにも辿りつかない。しかしそんなことはどうでもいいのさ。誰も意味なんて必要としないし、どこかに辿りつきたいと思っているわけではないからね。我々はここでみんなそれぞれに純粋な穴を掘りつづけているんだ。目的のない行為、進歩のない努力、どこにも辿りつかない歩行、素晴らしいとは思わんかね。誰も傷つかないし、誰も傷つけない。誰も追い越さないし、誰にも追い抜かれない。勝利もなく、敗北もない」

~村上春樹『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド(下)』より~

 

こういう世界がいいのか、人を傷つけたり幸せにしたりする世界がいいのか。

まぁ現実の世界は選択の余地なく後者なんだけどね。

 

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著者:村上 春樹
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ではまた。

 

 

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受信: 2009年5月16日 (土) 21時44分

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