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2009年9月24日 (木)

鹿児島旅行

火曜日から2泊3日で鹿児島へ行ってきた。鹿児島はとてもいいところだった。

 

一日目は空港に迎えに来てくれた大学時代の友人の車で動いた。

まずは昼食で、さっそく黒豚を食べた。トンカツで。感想は、まぁ美味しいかなというくらいで、特別な感動はなかった。

その後に桜島へ行った。桜島へ向かうフェリーから見たときは灰は出ていなかったけど、桜島に到着してしばらくすると、もくもくとまさに灰色の灰を噴出し始めた。いつもこうなんだそうだ。だから桜島はどこへいっても灰だらけ。ちょっと風が吹けば灰が目に入るんだ。ごみの分別で、「灰」ってのもあるんだそうだ。

桜島で紫芋ソフトクリームを食べた。これがめちゃくちゃ美味かった。大体旅行へ行けばその土地の名産を生かしたソフトクリームがあるけど、そういうのは大体、基本のクリームにちょっと何かを混ぜたようなレベルのものだけど、紫芋ソフトは全然違った。むしろ芋だった。クリームというよりも、芋ベース。芋がもともと甘いからできるんだろう。鹿児島に行ったら絶対に食べた方がいい。

その日の夜は車を置いてから飲みに行った。鹿児島の繁華街みたいなところで飲んだ。結構人が多くて満席の店が多くて大変だったけど、僕たちが入った店は大当たりだった。ここの薩摩揚げがめちゃくちゃ美味かった。これは本当に度肝を抜かれた。店中に聞こえるような声で「うまっ!!」と叫んでしまったほどだ。本当に。それほど美味い。今まで食べていた薩摩揚げは何だったんだというくらい。これから東京で食べる薩摩揚げは、「薩摩揚げ風の何か」と改名する必要がある。それほど全然違った。中がジューシーなのだ。今までの僕の薩摩揚げのイメージは、中がぎっしりとしたかまぼごを揚げました、ってイメージ。それが完全に覆された。中はふわっとしていてジューシー。そして甘いのだ。店の名前を覚えていないのが残念だ。もし鹿児島に行くならまたここに行きたい。本当にそう思った。ここではビール1杯と焼酎を何杯か飲んだ。

2件目には、「ちんちろりん」という活かした名前のバーに行った。友人の行きつけということもあり、そして名前が気に入ったので僕が是非行きたい、と言った。店に入るとマスターとお客が4人いた。奥の男2人が地元の人で、たぶん35歳くらい。手前2人が地元の女性(たぶん25歳くらい)と大阪から来たその彼氏(たぶん25歳くらい)。和気藹々とした店で、僕たちも会話に入ってみんなで話をした。ここがかなり面白かった。下ネタから政治の話まで、色々な話をしたけど、やっぱり興味深かったのは鹿児島の話だ。僕が東京から来たということを知った彼らは、鹿児島のことを色々と教えてくれた。前述の灰専用のごみ袋もそこで教わった。他にも色々。東京人よりも大阪人の方が苦手であることや、福岡や長崎の人に対して同じ九州人ということで同郷意識を持ったりはしないこと、季節によって桜島の灰が降る地域が変わること、九州は辛い酒(=焼酎)を飲むからつまみが甘いこと、逆に東北は甘い酒(=日本酒)を飲むからつまみが辛いことなど、色々なことを教わった。僕は今まで九州の人に対して間違ったイメージを持っていたんだなぁと思った。なんかこう、豪快で大雑把なイメージを持っていたけど、実は真逆だと思う。鹿児島の人は、繊細で丁寧で礼儀正しい。これが今回の旅行で僕が持ったイメージだ。特に僕はこれを、二日目に痛感することになる。ここではビール1杯と焼酎1杯を飲んだ。ちなみに焼酎の1杯はマスターのサービスで、せっかく東京から来たんだからこれ飲ませてやる、と言って出してくれた。どうやらいい酒だったらしいが、悲しいかな、もはや美味かったかどうかすら覚えていない。ましてや銘柄なんて。でも、こんな僕によくしてくれてありがとう、だ。

二日目は一人で行動した。友人宅で1泊し、仕事がある友人とはその朝に別れた。そして僕は指宿(これで「いぶすき」と読む)に移動した。電車で70分くらいで着いたそこは、けっこう寂れた町だった。もっとそれなりの温泉街だと思っていたので拍子抜けした。でも人が少ないのはいいことだと思った。ホテルに荷物を預け、駅でもらったMAPを観ながら散歩した。でも指宿はあまり面白い町ではなかった。何もないのだ。散歩は好きだから苦痛ではなかったけど、もうちょっと何かあってもいいだろとは、正直思った。有名な砂風呂があるのだが、そこに限ってめちゃくちゃ人がいたので僕はスルーした。そしてとにかくひたすら歩いた。やがて何とかって遺跡があって、そこに公園が併設されていたのでそこに入った。入り口ですれ違ったサッカー少年が「こんにちは」とやたらかしこまって挨拶をしてきた。僕は「こんにちは~」と返した。遺跡には縄文土器を焼く窯や竪穴式住居があった。僕はその脇にあったベンチに座って、休憩がてら文庫本を開いた。読書がはかどることは、一人旅のいいところの一つだと思う。石田衣良の小説をキリのいいところまで読んだ僕は、再び歩き始めた。もちろん当てはない。ところが歩けば何かに当たるもので、市営の温泉を発見した。とても小さな施設で、他の民間の温泉に比べればしょぼしょぼだったけど、僕はそれが気に入った。あまり風呂は好きじゃないけど、歩いて汗もかいたし、正直散歩にも飽きたし、でもまだホテルはチェックインの時間じゃないし、入ることにした。男湯は僕の貸切だった。入ったときには一人いたけど、僕が入るとすぐに出て行った。温泉はあまり熱くなく、僕でも快適に入れる温度だった。それに、できるだけ長く入ろうと決めた僕にはちょうどよかった。でも結局1時間も入っていなかった。やっぱり熱くなってしまって、出た。出て、いちご牛乳を飲んだ。通りがかった少年と少女(たぶん兄弟)が腰に手を当てている僕に言った。「こんにちはぁ」

僕は手を振って返した。そしてその数分後、軒先で水を撒いていたおじいさんが「こんちは」と言うので僕は、「こんにちは」と言った。きっとここは挨拶を重んじる風土なのだ、と思った。あるいは歴史的に、来訪者を歓迎する癖があるのかもしれない。いずれにせよ、誠実で礼儀正しい。

それから昼飯を食べた。鰹丼と薩摩揚げを食べた。鰹丼は美味かった。さすが海に面した町ってだけはある。でも薩摩揚げは前日に食べたものとは全然違った。ここの薩摩揚げは僕が今まで知っていた薩摩揚げだった。中がぎっしりしていて、まさに揚げたかまぼこって感じ。同じ鹿児島県内でも、薩摩揚げの種類は何種類かあるのかもしれないな、と思った。世の中は思ったよりひと括りにできないものなのだ。

昼食の後、もういい時間になったのでホテルへ行きチェックインした。そしてちょっと疲れていたので部屋で休むことにした。本を読んだりテレビを観たり昼寝をして、18時過ぎまで部屋で過ごした。

そしてそれから夕飯を食べにまた外へ出た。昼間チェックしていた店へ行くと、目をつけていた2つの店が2つとも貸しきりで入れなかった。仕方がなく近くにあった店に入ると、めちゃくちゃ賑やかだった。ちょっとこれは・・・、と思って戸を閉めた。通りを挟んだ向かいの店の戸を開けると、今度は正反対に誰も客がいなかった。僕は一応、「やってますか?」と聞いてからカウンターに座ってビールを頼んだ。ここではビール1杯と焼酎1杯と焼き鳥を3本とから揚げを食べた。郷土料理の「き」の字もない店だったのだ。カウンター越しのおっちゃんはテレビに夢中だったし、僕はかばんから文庫本を出して、食べ終わるまで読み続けた。酒を飲みながらの読書も悪くないと、生まれて初めて思った。

3日目、つまり今日は、もう起きてチェックアウトして飛行場まで行って、帰ってきただけ。計画では3日目もどこか行く予定だったんだけど、僕はもう早く帰りたくなっていた。1日目に大学時代の友人と話したことも関係していて、「帰ったらこうしよう」とか思って、早く帰りたかったのだ。だから早く空港に行き、予約の便よりも早い便に変えてもらおうとした(結果的にそれはできなかったけど)。

僕はいつも旅行に行くとこうなる。最後の方はもう帰りたくなるのだ。帰ってやりたいことが出てくるのだ。東京にいた頃にはなかった発想や、あるいは今までの自分を反省した結果を、試したくなる。何かを得たとか成長したとか軽々しく言うのは嫌いだけど、旅行ってのは何らかの変化を自らの内に生み出すものなのだろう。あるいはそれはただの勘違いなのかもしれないけど、その勘違いですら、行動の原動力になる。僕は他の人と比べれば積極的に旅行をする方じゃないけど、また何かに悩んだりしたら一人旅に出よう。そして、また“帰ってきたくなろう”。

 

僕なりの旅のスタイルが、ちょっとできたのかもしれない。

 

 

ではまた。

 

 

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