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2010年1月 2日 (土)

姜尚中『リーダーは半歩前を歩け ―金大中というヒント』

を読んだ。

 

これは元韓国大統領金大中との対談からみえた、リーダーとはこうあるべし、というメッセージを姜尚中さんが文章にした新書だ。

正直、薄っぺらい感じがした。中には、なるほど、と思うことや勉強になること、共感することもあったのだけど、全体としてはそれほど面白くなかった。これは完全に僕の想像だけど、金大中との対談を無理やり膨らませて本にしたんじゃないか。きっと本人も苦笑いをしながら書いたに違いない。

でも特に間違ったことを言ってるとは思わないし、内容的にはリーダーシップのことだし、興味深いことはたくさんあった。特にこの本のタイトルになっている、「リーダーはフォロアーの半歩前を歩け」という姿勢には共感できた。というよりもこの姿勢は、ROONEYSでいつも僕がそうありたいと思いながらなかなかできていないだろうな、というものだからだ。

 

金氏は「半歩」と言ったのです。ぜったいに国民の手を離さず、国民がついてこなければ、「半歩」下がって彼らの中に入り、わかってもらえるまで説得して、同意が得られたら、また「半歩」先を行く、と。

~姜尚中『リーダーは半歩前を歩け ―金大中というヒント』より~

 

一人で突っ走るのではなく、後ろを気にしながら、みんなと手をつなげる距離で、でもみんなよりは前にいる。いざという時にはみんなの後ろに回ることもできる。

すごく抽象的な言い方になってしまったけど、そういう姿勢こそ、僕の目指しているリーダー像だ。

それこそ昔はそんな考えは一切なかった。高校のテニス部で部長をやっていたときも、ROONEYSの初期の頃も、自分が正しいと思うことを次々とやって、周りがそれをどう思うかは全く気にしなかった。俺が正しい。俺について来い。たぶんそんな感じだった。

でも、たぶん大学3年くらいだったと思うんだけど、ROONEYSの存続などを考え出してから、僕の考え方は変わってきた。つまり、僕が死んだらROONEYSはどうなるんだ、ということを考え出した。そのとき僕は、きっとROONEYSはなくなってしまうだろう、と思った。僕一人だけが突っ走っている状態では、誰もその後を継ごうなんて思わないし、できないのではないかと思った。それはいかん、と思った。そこから僕は、もっとみんなと一緒にやっていこう、と思った。言い方を変えれば、もっとみんなと距離を近づけるってことで、それは「半歩前」と表現してもしっくりくる。

ただこの距離感は実に微妙で、少し油断するとみんなと並列になってしまいそうになる。これは絶対にダメだ。そうすると色んなものがあやふやになってしまう。それこそ、もしROONEYSが存続の危機にさらされるような場合でも、「それがみんなの意思なら・・・」と納得してしまったりする可能性もある。フォロアーとリーダーの意思はやっぱり違わないといけない。意思っていうか、温度っていうか。リーダーは揺るがない意思とか理想とかを、共有せずとも持っていなければならないと僕は思っている。だからたまには、独断と偏見に基づいた判断があってもいい。そういう意味で、あくまでも「前」なんだ。半歩だけど、前。並列ではいけない。

この新書を読んでリーダーのあるべき姿勢を再認識することができた。その点で、この本には感謝だ。日常の中で忘れてしまうことってのは、結構あるから。

 

この本から何かを学ぼうとは思わない方がいい。薄っぺらいから、これだけでは何も学べない。でも、リーダーシップについてずっと考えてきている人にとっては何かを感じることができるかもしれないし、これからリーダーシップを学ぼうとしている人にとっては、きっかけくらいにはなると思う。

そういう人にはお勧め。

 

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ではまた。

 

 

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