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2010年1月12日 (火)

偉いってやつ

僕は平日の5日間、会社のビルの階段を10階まで2往復している。

朝の出勤と夜の帰宅時の往復と、昼食のための外出の行き帰りの往復で2往復だ。

こういう人は僕だけではないが、珍しい。社員の5%もいないと思う。

そんな僕に、こんなことを言う人がいる。

 

「階段使って偉いね」

 

一体階段を使うことのどこが偉いというのだろうか。

別に僕が階段を使うことで幸せになる人はいない。誰かの為にやっていることではない。

僕が階段を使う理由は、「エレベーターが嫌いだから」だ。

僕が階段を使うことを「偉い」とするならば、エレベーターが嫌いなことを同時に「偉い」と認定しなければならない。

 

とはいえ、階段を使う人のことを「偉い」と言いたくなる気持ちは想像できる。

たぶんそういう人たちは、自分もそうしたい、という気持ちを持っているのだと思う。でも何らかの理由でそうできない。しかもその理由は、「疲れる」とか「面倒」とか、ちょっと後ろめたさを感じるような理由なのだ。だから、そんな自分とは違い、そうしている、できている人を「偉い」と思うのだと思う。

なぜこんなことを考えるのか。

それは、階段を使うことを特殊なことであると考えるからだ。例えば、僕が朝の階段で見掛ける多くの人たちは、らせん状になっている階段を、すごく大回りして上っている。これは僕の憶測だけど、彼ら彼女らは、ダイエットとか体力維持増進とか、そういったことの手段として階段を上るということをしているんだと思う。

ジムに通うように、毎朝ウォーキングをするように、階段を上るということを捉えているのだと思う。

そういった考え方でいえば、あるいは毎日階段を上り下りするのは「偉い」といえるのかもしれない。(それでもかなり違和感のあるものだが・・・)

でも僕のは全然違う。僕はただ、上に上るためだけに階段を使う。純粋で誠実な階段の使用。当然、これ以上ないほどのインコースをついて上っていく。これが「偉い」というのは、とにかく違和感がある。

 

あ。でも、こういった類の「偉い」は結構溢れている気がしてきた。

例えば、毎日三食食べるとか、自炊をするとか。

別に誰かのためになるわけでもないことで、人は人のことを結構「偉い」と言うということか。やはり違和感がある。

 

【偉い・豪い<えらい>】

《形》いら・し(ク)

①すぐれている。人に尊敬されるべき立場にある。「―・い先生」

②普通あるべき状態より程度が甚だしい。ひどい。「人が―・く集まった」「―・騒ぎ」

③思いもかけない。とんでもない。「―・いところで会ったね」「―・いことになった」

④苦しい。痛い。つらい。「坂道を登るのが―・い」

~広辞苑より~

 

「偉い」ってこういう意味だったのか。

じゃあ、「あの人は偉い」とか言う場合、これは一体、どういう意味になるのだ。あの人は優れている、ということか。これもやはり違和感がある。ただ、あの人は尊敬されるべき人だ、ということならしっくりくる。

おそらく大半の「偉い」はこれだろう。

 

なるほど。僕も、階段を使っているということで誰かに尊敬されれば、「偉い」ということになってもいいのか。

目的や動機は関係なく、つまり、自分がどう思っているかではなく、他人からどう思われるかに依存するのだ、「偉い」とは。

三食食べようと思っているが食べられていない人からしたら三食食べている人は偉いし、毎朝ウォーキングしたいが三日坊主で終わってしまう人からしたら毎朝ウォーキングをしている人は偉い、ということになるのだ。

例えば僕が階段を上る理由が、実は女性のスカートを覗くためだったとしても、僕が偉いことに変わりはないのだ。

もちろんそんなことは断じてないが。

そういうことだ、ということだ。

 

 

ではまた。

 

 

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