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2010年1月19日 (火)

恩田陸『中庭の出来事』

を読んだ。

 

この小説のあらすじを紹介するのは不可能だ。なぜなら、分からないからだ。いや、全部読んだから分かったことは分かったのだが、読んでいない人にこれを説明することは、やはり不可能だ。それに、僕の理解もまだ十分ではない。一度読んだだけでこれを完璧に理解した気には、とてもじゃないがなれない。喜んで巻末の解説を読んだのは、『イニシエーション・ラヴ』(乾くるみ)以来だ。

あえて説明するとすれば、小説の中に劇があり、その中に劇があり、そしてその劇の外だと思っていた人物もまた、劇の登場人物だったという、そんな感じだ。

もちろん、ただ難解なだけの小説ではなく、それなりに面白い小説ではあった。ちなみに山本周五郎賞を獲っている。ただ、どこが面白いのかと言われれば、それもやはり、分からないと言うしかないわけだが。

 

ところで、「すみません」って、嫌な言葉ね。最近つくづくそう思うわ。何が嫌かって、それでおしまいなのよ、「すみません」って言葉は。なんでも「すみません」って言えば済むと思って。そのあとが続いていかないし、説明の余地を与えないわ。あれは、拒絶の言葉なのよ。会話を終了させる言葉ね。五十音の最後の音で終わるし。

~恩田陸『中庭の出来事』より~

 

「すみません」については以前、このブログで批判した。だからこの台詞にもちょっと引っ掛かった。面白い考えだと思った。

そして、説教される部下が「すみません」を連発する理由を想像して、この台詞にもの凄い説得力を感じた。

彼らがとにかく早く会話(=説教)を終わらせたがっていることに異論はあるまい。

 

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ではまた。

 

 

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恩田陸著 「中庭の出来事」を読む。 このフレーズにシビれた。  あなたはいつだって、世界という劇場の中で、孤独に一つの客席を埋める観客なのであります。 [巷の評判]igaigaの徒然読書ブログでは, 「うーーん。分かりづらかったです(^^;)あたしにとって恩田....... [続きを読む]

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