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2010年2月 7日 (日)

新潮社ストーリーセラー編集部『Story Seller2』

を読みました。

 

色々な作家の短編小説が詰まった本です。

正直、それほど面白くなかったです。

入っている作家は、沢木耕太郎、伊坂幸太郎、有川浩、近藤史恵、佐藤友哉、本多孝好、米澤穂信です。

面白かったのは、伊坂幸太郎の『合コンの話』と、本多孝好の『日曜日のヤドカリ』くらいでした。といっても伊坂幸太郎の場合、もう僕が伊坂幸太郎のファンだから面白く感じるだけであって、おそらくファンでない人が読んでも大して面白くないのだと思います(笑)

本多孝好は初めて読みましたが、なかなか良かったです。『日曜日のヤドカリ』は二組の親子の話なのですが、丁寧語を使い合う親子の会話がとても面白かったです。何だか心が暖まるような気がする物語でした。人を幸せな気分にできる物語は偉大ですね。心が暖まるって一体どういうことなのでしょうね。まるで腹巻を巻いているかのような気分だ、と言い換えても問題ないのでしょうか。

 

あ、そうそう。小説としては面白くなかったのですが、興味深いところがあって折り目をつけたページがありました。

それがこれです。

 

犬も猫も笑わないのに、なぜ人間だけが笑うのか。その特権にはどのような、そして、どれほどの意味があるのか。うまく笑顔を作れないオレは、心情としては犬猫側につきながら、毎回そのようなことを考える。『毎回そのようなことを考える』奴がどれだけ間違っているかは理解しているつもりなので、安心してもらいたい。さらにオレは一日のうち数時間を使い、笑顔を作る練習もしている。ただ、成功したことはなかった。オレの顔面にはいつだって、笑顔の本質だけがべっとり貼りついているのだ。

~佐藤友哉『444のイッペン』より~

 

僕が気になったのは最後の一文です。「笑顔の本質」とは何か、ということを考えさせられました。

普段は僕は、作者の意図を読み取ろうなんてしません。表現は、作者から離れた時点で受けてのものになると思っているので、無理やり作者の意図を読み取ることに必要性を感じないのです。僕がどう感じるか、どう解釈するか、ということを大事にしています。

でもこの一文に関しては、作者がどういうつもりで言っているのか気になりました。そして、笑顔の本質ってものを、作者がどう考えているのかが気になりました。

笑顔を成功させたことがない男の顔にはいつも、笑顔の本質が貼りついている・・・。

ということは、笑顔の本質は笑顔にはあらず、ということでしょうか。

笑うことによって起こる表情の変化は、「笑顔」の一部、しかも表面的な部分であり、笑顔のその本質は、表情の変化が起こる前に、内面にのみ起こる変化。こんな解釈はどうでしょう。

まぁいずれにせよふわっとした、ぼわっとした、ぽよよんとした、曖昧な話になっちゃうんですけどね。

 

それにしても、この本に入っている作家の名前を眺めると、僕もけっこう知っている作家が増えてきたなぁと思います。2,3年前の僕からは想像もできなかったことですね。僕がこんなにも小説を読むようになるなんて。

人は変わるものですね。表面的な部分においては。でも本質は変わらないのです。

いくら小説を読むようになっても、上杉の本質はいつでもべったりと貼りついているのです。離れないのです。

 

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ではまた。

 

 

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