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2010年3月29日 (月)

別れと再会の約束

3月末ですね。

別れの季節ですね。

会社では新組織の体制の席割りになりましたし、僕のアパートの下の住人は引っ越していきました。

そして今日、僕にもう一つ別れがやってきました。一年間訪問させてもらっていたお客さんの家の二人の子どもとお母さんとの別れです。このブログでも何度か話題にした気がしますが、そこの家族は本当に良いんです。何が良いって、まず親子の仲がよくて、子どもが元気なのです。僕の前だからある程度は飾っている部分もあるんだと思いますが、それでも僕は彼らが好きでした。仕事を抜きにしてでも会いに行きたいと思うほどでした。

昨年の4月から月1度訪問させてもらっていて、今日は12回目。最後の訪問でした。それを子どもも知っていて、どこかそわそわしているような感じでした。何かを話そうとするんだけど、「やっぱいい」とか「面倒くさい!」などと誤魔化していたように思いました。きっと彼も僕との別れをそれなりに淋しく思ってくれていたのだと思います。これは大学時代にやっていた家庭教師(生徒は小4)の最後の日にも思ったことですが、子どもは悲しみの表現がまだできないのです。

子どもたちはそれぞれ、僕に手紙を書いてくれていました。短い文章でしたが、とても心のこもったものに感じられ、とても嬉しかったです。年少さんの弟君は「いままでありがとうござました」という一文と、最近お気に入りのドクロの絵を描いてくれていました。小2のお兄ちゃんは、とても真面目に「ありがとう」ということと、「これからも勉強がんばる」というようなことを描いていて、最後に「ぼくのことをわすれないでください」と書いてくれました。そして弟君よりも上手なドクロが描かれていました。

僕は小学3年生に進級する頃に返事のお手紙を書くことを約束し、君たちのことは忘れたくても忘れられないよ(笑)と言いました。君たちほどインパクトのある子どもたちは初めてだ、と言うと、みんな笑いました。そして僕は、あぁ何て心地いい家族なんだ、と思うのです。別に彼らと家族になりたいということではないのですが、彼らのことをずっと見ていたいなぁとは思っていました。できるならずっとこの訪問を続けたい、と。

でも彼らはまだ子どもです。これからの長い人生があります。今は僕の存在はある程度特殊なもので、会えばちょっとウキウキするようなおじさんなのかもしれませんが、彼らはこれから多くの人に出会い、その度に色々な経験をして、どんどん過去を忘れていくでしょう。僕のことも「そういえばいたなぁ」くらいになる。それはちょっとは悲しいことだけど、仕方のないこと。そしてそれは、そうなるべきことなのです。だから僕は、彼らと別れるのですね。

 

「じゃあそろそろ帰りますね」と僕が言ったとき、きっとずっとそのつもりだったのでしょう。お兄ちゃんの方が「写真を撮ろう」と言いました。そのお宅のデジカメで、僕と子どもの3ショットや、僕とお兄ちゃんとお母さんの3ショット、僕と弟君とお母さんの3ショット、僕とお兄ちゃんの2ショットなど、カメラマンをとっかえひっかえ、何枚か写真を撮りました。僕の携帯でもお兄ちゃんとの2ショットを撮ってもらい、その写真を彼の目の前で待ち受け画面に設定しました。彼らは喜んでくれ、僕は「オレもこういうことをするようになったんだなぁ」とちょっと照れ臭く思いました。でもみんなにとって、いい思い出になったなと思います。異動前の最高の思い出です。

それからは弟君が僕の膝に座ってパズルを始めて「見て見て」と言われ、なかなか帰れませんでした。いや、帰りたかったわけではないのですが、長居するわけにもいかないので。何度か帰ろうとしたのですが、その度に「もう1回、もう1回」と言われて、いつもより長居することになってしまいました。でも多少強引にでも帰らないとこれは永遠に続くなと思い、僕は何かの漫画で読んだ台詞を引用していいました。

「もういい加減帰るよ。名残惜しいけど、別れは名残惜しいくらいがちょうどいいんだ」

お母さんが笑ってくれました。

 

席を立つと、お母さんが一枚のチラシを弟君に渡し、弟君が僕にくれました。それは彼らが出演するダンスの発表会のチラシでした。「良かったら観に来てください」とお母さんが言ってくれました。5/15(土)という日付を見て、「行きます行きます。絶対に行きますよ」と僕は言いました。すると子どもたちも喜んでくれ、最初は予定が合うようならチケット用意しますので、と言ってくれていたお母さんも、「じゃあもうチケット渡しましょうか?」と言ってくれました。僕は遠慮なく2枚のチケットをもらい、必ず観に行くと約束したのです。

もうこれっきり会うことはないんだろうと思っていたので、このお誘いは本当に嬉しかったですね。彼らのダンスは前からずっと観てみたいと思っていましたし。

5月15日が今から楽しみです。

 

ただ一つ懸念事項が。

お兄ちゃんの方が僕に、今日のどのタイミングで言われたのかは忘れましたが、「早く彼女作りなよ」と言ったので、このお誘いを受けたときに「じゃあそれまでに彼女作って二人で観に行こうかな」と言ってしまったのです。

きっと彼らは僕の彼女を見るのも楽しみの一つとすることでしょう・・・。

こりゃ間違っても男とは行けないっす(笑)

何とか頑張ります。

 

 

というわけで、別れのすぐ後に再会の約束ができたのでした。

おかげで湿っぽい別れにならず、良かったですね。最近は僕も涙腺が緩くなってきた気がするので、もらい泣きとかしないかなと密かに心配していたので(笑)

まぁとにかく、また彼らに会える日を楽しみに、色々頑張っていきたいと思います。主に彼女作りを。

 

 

ではまた。

 

 

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