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2010年6月17日 (木)

重松清『流星ワゴン』

を読んだ。

 

これはなかなか面白かった。重松清の小説は、今までそんなに当たりがなかったんだけど、これは当たりといっていいと思う。

家庭がぼろぼろに崩壊した中年男性が、「死んじゃってもいいかなあ、もう・・・」と思ったとき、目の前に親子の乗るワゴンが止まる。それに乗り込んで、3人の不思議なドライブが始まる。そのワゴンは、男性の後悔しているポイントに連れ戻してくれる。そしてやり直しのチャンスをくれる。でも、どんなに行動を変えようとも結果は変わらない、という何とも絶妙なところをつくお話だった。

知らないことと、知っていてもどうしようもできないこと、どっちが幸せなんだろうという問いがこの小説にはずっとあった。

あと、このやり直しの世界で男性は、自分と同い年の父親と会うことになる。これがまた面白い。親子なのに同い年。朋輩だ、と父親の方が言っていた。親子としてはうまくいかなくても、同い年だったら仲良くやれたのかもなぁ、という男性の感想はとても興味深かった。僕と父はどうだろう。父が26歳の頃、どんな人間だったのか。正直僕には、想像もつかない。

僕はまだまだだな。

 

この小説は気に入った台詞がいくつかあった。

 

(前略)やはり、死はあまりにも遠い。(中略)自分がいつかは死んでしまうんだと想像して身震いすることはあっても、「いつか」は決して「いま」にはならない。想像できるということは、実感できないということでもあるのだろう。

 

 

「知る」と「信じる」は両立しないんだと気づいた。知ってしまうと、信じることはできない。

 

 

たとえばデジャ・ブや、昔どこかで会ったような気のする人に会うことは、誰かのやり直しの現実に付き合った痕跡なのかもしれない。星座のような記憶の回路からぽつんとはずれた、そんな記憶を、もしかしたら、僕たちはたくさん持っているのかもしれない。

~重松清『流星ワゴン』より~

 

 

うーん、面白い。

オススメ。泣く人は泣く・・・かもしれない。

 

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ではまた。

 

 

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