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2010年7月11日 (日)

伊坂幸太郎『バイバイ、ブラックバード』

を読んだ。

 

短編集だし、企画モノ(それぞれの話が、郵便で50人の人だけに届けるために書かれた短編)だから、全然深みのある話ではないし、単行本化にあたって書き下ろされたというラストは、かなりつまらなかった。

でも、それでも伊坂幸太郎らしさはあったかなと思う。それは会話。登場人物同士の会話の面白さはやはり群を抜いて面白いと思う。僕は小説の良し悪しを判断するとき、ストーリーや主張とは別に、どれだけ“クスクス笑い”ができたか、を大事にしているが、その点においては『バイバイ、ブラックバード』は良い小説、ということが言えそう。

 

それにしても、と思う。それにしても伊坂幸太郎は、どうしたというのだろう。この話は、とある男が、多額の借金を背負ったために“どこかへバスで連れて行かれる”状況になったため、そのとき付き合っていた5人の女性に一人ずつ別れを告げに行く、というもの。前作の『オー!ファーザー』では一人の母親に4人(だったっけ?)の父親がいる少年の話だった。伊坂幸太郎は今そういう状況にいるのか・・・?まぁ知らないけど、伊坂幸太郎に書かせれば5股だろうが何だろうが、みんなが幸せならいいじゃないか、と思えてくるから凄い。

あと良かったのは、これは同じく短編集の『週末のフール』と同じで、これから地獄のようなところへ連れて行かれる癖に、付き合ってた5人の女性に心配をしたりする主人公がとても微笑ましい。『週末のフール』では、終焉を間近にしてもなおあるささやかな幸せが描かれてて凄い幸せな気分になったが、これも似ている。なんだろう。絶望感のなさ。大きく見れば不幸だが、目の前の小さな幸せを見つけて味わえる。そんな感じ。そういう感じが、僕は好きなんだろうなと思った。

全然大作じゃないし、どちらかというと駄目な本だとは思うが、僕は許せる。なんていうか、伊坂幸太郎はこうあって欲しい。もちろんまたいつか、単純に「凄い!」と思えるような長編も書いて欲しいが・・・。

でもOK。伊坂幸太郎、もっと幸せになれるお話をじゃんじゃん作ってくれよ。

 

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ではまた。

 

 

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