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2010年10月17日 (日)

出発点はイメージ

昨日の午後、テレビで戦場カメラマンの渡部さんが数人の若手俳優たちと対談をする番組がやっていたので観た。

渡部さんはとても面白いと思うし、何か機会があれば話してみたいと思う。

戦場カメラマンという職業も、素晴らしいと思う。

でも僕が素晴らしいと思うのは、その成果を指してのことではない。心意気というか、動機や意思と行動が結びついている点で素晴らしいと思うってことなんだよな。

正直僕は、戦場の写真を僕らに見せて、それが一体何なんだという考え方も持っているから。

世界にはこういう理不尽があり、苦しんでいる人がいる。

そういうことを知って欲しいと、戦場カメラマンの人たちは言う。

わかる。

僕も知りたい。

でも同時に、知ったから何だという気もする。正直、知っている人と知らない人。その両者の行動に差違はないと思う。多くの場合。

ただ、知った人の中から同じく戦場カメラマンを志す人が出たり、政治家を志す人が出るから、やっぱりとても意義のある仕事だとは思う。

 

でも僕がやっぱり気になるのは、知ってしまうことのリスク。

例えば戦争を体験したことがなく、教科書やテレビでも見た事がなく、言葉としての「戦争」さえ知らない人は、これから戦争を起こすことが可能かということなんだ。

分からないけど、知らなきゃできないんじゃないかと思う。知るから頭の中にイメージができて、行動に移すことができるんじゃないかと思う。

だから実は、戦争の映像や静止画、起こった背景と被害者数。あらゆる知識やイメージを共有することは、危ないことなんじゃないかとも思う。

 

だからといって、戦場カメラマン何て偽善者だ!なんていう気はさらさらない。ていうか最近、偽善なんてものはこの世に存在しないと考えるようになってきた。善は彼らにとっての善。その善が他人にとってはたまに、善となり得ない場合があるってだけ。別に偽っているわけではない。

本当の偽善は、相手を騙す行為のみを指すべきだ。

でも多くの場合、僕たちはそういう意味で「偽善」という言葉を使わない。世界が狂ってる証拠の一つがこれだ。

話が反れた。

 

とにかく僕は、この対談番組を観ていて、このことについて渡部さんに聞いてみたいと思った。

あなたの写真が戦争を終わりなきものにしている可能性を含んでいることについて、どう思うか。もし僕と同じことを1ミリでも考えたことがあるなら、それすらも了解して仕事をしているのか。

もしそうだとしたら、この人はすげぇ人だと思う。

迷いながら、悩みながら何かを続けるってのは、恐ろしくエネルギーを必要とするからだ。

 

本とか出してるのかな。

別に渡部さんじゃなくてもいいけど、戦場カメラマンの本とか読んでみたくなってきたな。

 

あ、あと、「僕、遠い外国のことなんてどうでもいいんですけど。テレビを消して、新聞を読まず、本も読まず、インターネットも切断すれば、僕の世界は平和なんです」って言ったらどう返してくるのか。これもすごく興味がある。こういうことを考えたことがあるかどうかも、是非知りたい。こういう人たちは、僕みたいな平和ボケした自由気ままーんなんてタイトルのクソブログを書いてる人間をどう思うのか。

知らないことは罪じゃないと考える僕のことを、一体どう思うんだろう。

 

 

ではまた。

 

 

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