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2011年4月20日 (水)

平日休み

今週の日曜日が出勤になってしまったため、今日はその振替休日だった。

だから会社には行っていない。

 

午前中は銀行に行った。

家を出て15分ほど歩き、駅前の銀行へ行く。空は快晴だったが、気温はやや低い。春というよりは温かい冬という感じだった。銀行の窓口へ行くのは恐ろしく久しぶりだった。おそらく一番最初に口座を開いたとき以来。となるとたぶん10年前とか。

10年前。逆の10年後を想像すると37歳か。

なんだ。まだ大した歳じゃないな。きっとまだ走れる。

 

銀行はそれほど混んでいなかった。行内に入ると案内係の行員さんが僕に用件を聞いてきた。僕が用件を告げると、何枚かの申込用紙を書くように言われ、申込用紙を書く机に案内された。一通りの説明を聞き、「そんな面倒なことしなきゃできないことなのか?」と思いながらも、とりあえずしくみとしてそうなら仕方ないと思い、案内通りに用紙を書いた。

書いていると、窓口が空いたらしく、案内の行員さんとはお別れして窓口の行員さんと「こんにちは」した。結果から言うと、それまで僕が書いた3枚の申込用紙はほとんど意味をなさなかった。案内をしてくれた行員さんが完全に勘違いをしていたらしく、僕はまたイチから僕がやりたいことを説明した。

行員さんはスムーズに理解してくれ、スムーズに案内をして、スムーズに僕の動作を指示し、スムーズに手続きをしてくれた。最初に案内してくれた行員さんが言ってたのとは全く違い、僕が想像していた通りのシンプルな話で済んだ。

ただやはり時間がかかるようで、僕は手続きの間しばらく席で待たされることになった。

もちろん僕は文庫本を開き、読んだ。

どれくらい待っただろう。10分かそこらか。待ったあたりで、左前に座っていたおじいさんが案内係の行員さんに話しかけた。

「ねぇ。ずいぶん待ってるんだけど、まだ?」

「申し訳ありません。今時間のかかる手続きが続いているもので・・・」

「そうなの。窓口が4つしかないってのもどうなんだろうねぇ。全然進まないものね」

「申し訳ありません。2階にも窓口はあるんですけど・・・」

「でもあれでしょ?2階は振り込みとかでしょ」

「そうですね~。わりとそういう簡単なものの手続きですね」

「ふーん・・・。そういえばこの近所の●●銀行の窓口はさ、10個くらいバーっとあって、みんな若くてきれいだったよ!」

「そうですかぁ・・・」

こんな会話が僕の前で繰り広げられた。おじいさんは、今日は公休だ、と言っていた。僕は、「公休って何だろう」と思った。嫁もたまに使っていたが、一体、公休とはどういうものなんだろうか。僕が働いている会社では聞いたことがない。

 

【公休<こうきゅう>】

①日曜・祝日以外の、おおやけの休み。「―をとる」

②公休日の略。

~広辞苑より~

 

とのことだ。全然わからない。おおやけの休みって何だ。おおやけ・・・。

 

【公<おおやけ>】

(「大宅」「大家」の意)

①天皇。皇后。中宮。

②朝廷。政府。官庁。官事。

③国家・社会または世間。

④表だったこと。公然。「事が―になる」「―にする」

⑤私有でないこと。公共。公有。「―の施設」

⑥私心のないこと。公明。公正。

⑦金持。財産家。

~広辞苑より~

 

だそうだ。もうパニック。全然わからない。私有でない休み?私心のない休み?社会の休み?もう全然わからない。

とにかくおじいさんは貴重な公休を使ってきてるんだから早くしろこのブサイク行員め、ということが言いたかったようだ。聞いていてとても不快な会話だった。対応している行員さんが気の毒だった。

やがて僕の名前が呼ばれた。無事手続きが終わり、日用品をもらって銀行を出た。1時間近くかかった。

 

腹が減ったので定食屋に行った。行く途中歩いていると、目の前におじさんが歩いていた。近くの工事現場の作業員なのか、汚れたカーキ色のパンツに、同じく汚れた白いシャツを着ていた。そのちょっと向こうからおばさんが歩いてきた。スーパーの袋を抱えていた。二人がすれ違うとき、おじさんがツバを吐いた。しかもおばさんの方に吐いた。おばさんは飛び退いた。思えば僕は、現実世界で飛び退くというものを初めて見たかもしれない。マンガやアニメで「飛び退く」を見ることはあっても、現実にはなかなかお目にかかれるものではない。しかしあのおばさんのツバを避ける所作はまさに、飛び退く、だった。

定食屋でハンバーグカレーのサラダセットを頼み、料理が来るまでの間また文庫本を読んだ。周りはサラリーマンで埋まっている。そうだ。今日は平日。平日の午後1時。ちょっと遅い昼食をとるサラリーマンたちだ。ご苦労様だ。

食べ終わって支払いをし、店を出た。次は靴を買いに行く予定だった。もう1年くらい前から靴が欲しかったのだが、どうも店を回っても欲しいものが見つからない日々が続き、今日に至っていた。今日こそは買おうと思って、新宿へ向かった。

 

駅について中央線・東京行の電車に乗り込んだ。運よく特別快速に乗れた。

僕が乗り込むと、それまで電気が点いていなかった社内が明るくなった。「これまで節電のため消灯させていただいておりましたが、これより先、電気を点けさせていただきます」というアナウンスの後だった。僕は、いちいちそんなこと言わなくていいんじゃないか、と思った。節電は夏に向けて東京人全員の問題だ。誰かが誰かの節電の犠牲になっているとか、協力してやってるとか、そういうんじゃない。だから節電に関して、東京の人が東京の人に、ありがとうとかごめんなさいとか言わなくていい。と思う。

 

新宿に着き、靴屋に行った。

これなら買ってもいいかなという靴が2つあった。

まず1つを履かせてもらった。なくはなかったが、それほどピンとくる感じでもなかった。何よりもサイズが大きかった。ちょっと作りが大きい靴だったため、いつものサイズでは全然合わないのだ。置いてあるもので一番小さいものでも、ちょっと大きかった。僕はその時点でもう1つの候補の方にしようかなと思っていたのだが、店員さんが「クッション性の強いインソール入れてみましょうか」というので、入れてもらった。わざわざ商品のものを開封し、入れてくれた。インソールが入った状態で履き、「お、良くなりました」と僕は言い、「あの、もう1つ履きたいのあるんですけど」と言って店員さんを苦笑いさせ、結局2つ目の方を買った。

 

用事が終わったらこんな街にいる理由はない。僕はすかさず中央線下り電車に乗り込み、帰った。自宅に向かって歩いているとき、ビルの裏口でタバコを吸っている人がいた。そこに、メガネをかけて太った男性が自転車で通りかかった。彼はあからさまに顔の前を手で扇ぎ、タバコの煙を避ける仕草をした。そして、すれ違う瞬間に喫煙中の男性を睨んだ。笑ってしまった。喫煙者も大変だ。銀行員も大変だし靴屋さんも大変だし、喫煙者も大変だ。

 

 

しかしいい休日だった。別に何をしたわけではないけど、こういうほわっとした過ごし方も悪くない。

明日は仕事だ。明後日も仕事だ。しかし明々後日は休みだ!!

よし頑張ろう。

うん。

 

 

ではまた。

 

 

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