« 肛門の味覚 | トップページ | POP PUNK批判は悲しいからやめてくれ »

2011年5月 2日 (月)

死刑について

死刑は廃止するべきなのか残すべきなのか。

たぶんずっとどこかで議論されていることなんだと思う。

世界中の国や地域でも、死刑は廃止になったり復活したりしているという。

 

死刑を廃止する理由は色々ある。1つには、殺人を罰する手段として死刑という「国家による殺人」を用いることが矛盾しているということ。殺人はダメだと言ってるのに、それを罰するのに殺人を用いるという矛盾だ。しかしこれは実は死刑だけに限らず、すべての刑においていえることだから、それを言い出したら犯罪者を罰することなどできなくなってしまう。的外れな主張といっていいと思う。

もう1つには、死刑が犯罪を抑止する効果を持たないということ。どうやら死刑制度をもっている地域とそうでない地域。あるいは、死刑を廃止した前後で、凶悪犯罪の発生率には変化はないんだそうだ。だからもし、凶悪犯罪の抑止という目的で死刑制度を持つというならば、それは効果がないですよ、ということになる。

 

一方で死刑を残すべきだという主張のほとんどは、被害者・遺族への配慮を根拠にしているんだと思う。いや、あるいは、受刑者にかかる膨大なコストをその理由にする意見もあるかもしれない。犯罪者に金をかけるくらいなら、さっさと殺してしまえ。そういう意見だ。

被害者・遺族への配慮ということでいえば、確かに死刑はあるべきなのかもしれない。家族や友人、大切な人を殺されれば、その殺した人間を殺したいと思うのは当然の感情だろう。でも個人による復讐を許していたら殺人は永遠にループしてしまう。だから殺し代行として、国家が殺す。死刑という正当と思われる名称において。

 

さてちなみに僕は死刑廃止の立場の人間だ。別に何か運動をしているとかそういうことではないが、立場としては反対の側にいる。僕がその立場をとる理由は1つだ。

 

冤罪。

 

人間は完璧じゃない。いくら優秀な人間にも欠陥がある。あるいは、完璧な人間はいるかもしれない。だた完璧な人間はその完璧さゆえに、完璧に人を欺くことがある。このことによって、冤罪は生まれる。意図的、あるいは意図的ではなく、冤罪が生まれる。

無実の罪で死刑になった人がきっといる。僕はそれだけは絶対にやってはならないことだと思う。もしたとえ罪を犯した人間が無罪になり、そのことで被害者や遺族に復讐を決意させることになったとしても、それでも僕は冤罪による死刑だけは避けなければならないと思っている。何もしていないのに「あなたは重大な罪を犯した!とても生かしてはおけない!あなたは死ぬべき人間なのだ!」と言われて死ぬ人の無念は、想像を絶する。だから僕は、死刑制度には反対なんだ。

 

じゃあ被害者・遺族の悲しみや怒りはどのように癒せばいいのか。

誤解を招くかもしれない変な話をする。

僕はお金だと思う。

受刑者に、食事代や衣服など、さまざまなお金が投じられるのに対し、遺族にかけられるお金はその数%らしい。つまりほとんどの場合が、放っておかれているってことなんだと思う。放っておかれれば被害者意識はますます大きくなり、憎しみが増大する。そこからもしかしたら復讐心が芽生えることもあるのかもしれない。

それはよくない。

だから、お金を中心とした支援が必要なんだと思う。

収入を含めた生活の保障。心身の診療・治療にかかる費用の負担。場合によっては住む場所の確保、仕事の斡旋。

これらの実際的な支援を国主導で行い、「辛いけど生きていこう」というメッセージを送り続けるしかない気がする。また変な言い方だが、そうして怒りの矛先を反らす、うやむやにする。時間が経ち、本当に消えてなくなるまでそれを続ける。被害者や遺族を支えるしくみ。それが必要なんだと思う。それが実現できれば、死刑制度は廃止できるんじゃないか。

 

いずれにせよ、死刑廃止と遺族の支援はセットで考えるべき問題なんだと思う。

死刑がいい悪いだけの話じゃないんだ。

 

 

今日、加茂隆康の『死刑基準』という小説を読んだ。

主に法廷を舞台としたミステリー小説だが、中にちょいちょい死刑について議論される場面が出てきてとても興味深かった。

けっこうおススメです。

 

 死刑基準 死刑基準
販売元:セブンネットショッピング(旧セブンアンドワイ)
セブンネットショッピング(旧セブンアンドワイ)で詳細を確認する

 

 

ではまた。

 

 

|

« 肛門の味覚 | トップページ | POP PUNK批判は悲しいからやめてくれ »

「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/146160/39830019

この記事へのトラックバック一覧です: 死刑について:

« 肛門の味覚 | トップページ | POP PUNK批判は悲しいからやめてくれ »