書籍・雑誌

2011年8月14日 (日)

池井戸潤『下町ロケット』

を読んだ。

 

久しぶりに本の感想を書きたくなるほど、面白かった。

新しい本だからあまりネタばれになるようなことは書かない方がいいと思うんだけど、掻い摘んで言えば、下町の中小企業である町工場がロケットのエンジンの重要なパーツの製作・受注を勝ち取るまでの物語だ。

 

そこには池井戸潤らしい企業戦士の対決ストーリーがあったり、組織人や経営陣としての葛藤や策略があったり、夢とか生活とかいう人間物語もあった。どんどん引き込まれていった。

 

下町ロケットというタイトルも実にいいじゃないか。技術が、小さな部品を作ってる中小企業が日本の生産業を支えている、その象徴的タイトルだ。

 

 

読んでいる途中、「ちまちました作り直しはやめろ」という、うちの会社のうちの部の方針を思いだし、あぁうちの部にはモノづくりの精神とやらはないんだろうな、と思った。まぁ僕にも正直その精神はないから意見する資格なんてないのだろうけど、技術力とかを含めたモノづくりの力ってのはこうやって落ちていくんだろうなと思った。

まぁ確かに、革新的に変えたものってのはアピールがしやすい。消費者にも取引先にも、そして上司にもね。ただ、革命も革新も(違いが分からないけど)、きっと積み重ねの上にあるんだろうなと思うと、細部のブラッシュアップを怠る会社には本当の革新(革命)はないんだろうなと思った。

 

別に僕が勤める会社の話はどうでもいいんだ。

とにかく、池井戸潤はもういくつか読んでいるけど、全部面白い。そういえばこの『下町ロケット』は直木賞を受賞した作品だ。なるほど、直木賞は、見る目がある。本屋大賞とは違うね。

 

原発関連の本と小説を交互に読む日々だが、小説においては一旦読んだことない池井戸潤の作品を読んでいこうと思った。

 

 

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ではまた。

 

 

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2011年6月22日 (水)

垣根涼介『月は怒らない』

を読んだ。

 

垣根良介の最新長編。

一人の女性に3人の男が惹かれていく物語。

なんていうか説明がとても難しいんだけど、哲学的な内容だった気がする。

生きるとはどういうことなのか、とか。

問答みたいなシーンもたくさんあった。

 

その中で興味深かったのが、「名こそ惜しけれ」という言葉。

これは物語の結構なキーマンのおじいさんが言うのだけど、平安朝末期から鎌倉幕府勃興期にかけて、関東の武士たちがよく口にした言葉なのだそうだ。自分という名の存在に賭けて、恥と感じる行動や、卑怯と思える振る舞い、薄汚い嘘はつけない、という考え方。

いいな、と思う。そういう考え方。

世の中、人がこうだからとか、普通こうだからとか、そういうのが多すぎる。

大事なのは自分が作り上げてきた価値観であり、それに則った行動なのだと思う。

 

他にもかっこいい考え方があった。これは女に惚れる男の一人の、祖父とのやり取りの回想シーン。

 

 

(前略)

―人を、恨んじゃいかんじゃろ。

じいちゃんの笑い声。

人のせいにしちゃ、いかんじゃろ。弘樹。

それはみんな、おまんのせいや。人に起こることは、悪いこともいいことも含めて、みんなその当人のせいぜよ。

そして、こうも付け足した。

完結しろ、と。

自分の中で完結させい。そうすればおまんは、自分の一歩をようやく踏める。

~垣根涼介『月は怒らない』より~

 

 

人のせいにしない。

心がけていることではあるが、どうしてもしてしまうことがある。

理不尽だとか、不平等だとか思うこともあれば、嫉妬心みたいなのを持つこともある。

完結しろ。

なるほどね。たしかに、自分の中で完結させれば、そういうものは出てこないのかもしれない。

 

 

最後にもう1つ。

これは、女に惚れたもう一人の男の言葉。

 

勇気ではない。勇気は持続しない。結局のところ、明日に向かう手段は、気組みしかない。

~垣根涼介『月は怒らない』より~

 

その通りだと思った。

気組みとは心構えのこと。そういうのが大事。

勇気なんてものは実はなんでもなくて、ただの優柔不断の人間がやっと決断できることをそう表現しているだけだ。

それよりも常日頃、何を考え、そして、何を大事にしているのか。

それを行動の基準や根拠にできるもの。

そういうのが、人生をつくるんだと思う。

そしてそれは人それぞれだから、どんな気組みにしろ、そういうのを持っている人のそれを、絶対に否定してはならないんだと思う。

 

 

結局よくわからない話になったが、とにかくお勧めだ。物語も何気ハッピーエンドっぽく終わったし。

 

 

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ではまた。

 

 

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2011年6月20日 (月)

堀江邦夫『原発労働記』

を読んだ。

 

美浜、福島第一、敦賀。それぞれの原発で自ら労働者となって働いた著者の記録。

過酷な労働に、労働条件。放射能の測定方法と上限の設定。そして事故隠し・・・。

3つの原発でのさまざまな問題がここには描かれていた。

 

ただこの記録は僕が生まれた年とかそのへんのもの。1983年とかそのへんのものなんだ。

だからこの情報をそのまま今の原発運営にあてはめられるかどうかは分からない。ただ、現代にも共通するところはあるんだろうなと思う。何となく。

 

しかし思った。

原発で働いている人がいるんだなって。しかもその中には、人が入りたがらないようなところ、つまりは放射線量が高いところで働いている人がいるんだなって。そしてその人たちは、他に働くところがなかったりして、そこで働いてるんだなって。僕たちがここにきてはじめて、放射能放射能って叫んでるけど、その人たちは今までもそして今でも、変わらずに放射能を浴び続けてるんだよなって。

あー。

なんか、あー。

 

 

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ではまた。

 

 

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2011年5月 2日 (月)

本屋大賞のターゲット

そういえば今年の本屋大賞は、東川篤哉の『なぞ解きはディナーのあとで』が受賞した。

何度も店頭で見かけたけど、絶対に面白くないだろうと思ってた。

しかしまさかの大賞受賞。

「お嬢様の目は節穴でございますか」

と言われた気がしたので、買ってみた。

そして今日、収録されている6話のうち、2話までを読んだ。

感想。

全然面白くない。

なんでこれが本屋大賞なのか分からない。

なんていうか、めちゃくちゃ薄っぺらいんだ。内容が。何だか東野圭吾みたい。

さらっと事件が起きてさらっとなぞ解きをする。

ただそれだけの小説。

一応、お嬢様警察官と、毒舌執事というキャラクターがいるものの、如何せん全体がさらっとしているからキャラクターが全然活かされてない。

うーん。

なんで大賞なんだろう。

 

本屋大賞は「全国書店員が選んだいちばん!売りたい本」という名目で、全国の書店員が売りたいと思う本を投票で決めている。

しかしこの本が受賞したことで僕は、「いちばん!売りたい本」ってのはどういうことなんだろうと疑問に思わなければならなくなった。

そもそも、一体誰に売りたい本を選んでいるのだろうか。それによって選ぶ本はだいぶ違ってくる気がする。例えば、「本を読んだことがない人に売りたい本」であれば『謎解きはディナーのあとで』でもいいと思うが、「普段から読書をする人に売りたい本」だったらちょっと違う気がする。幸せな気分になりたい人に売りたい本と、人の心理に興味がある人に売りたい本と、とにかく謎解きがしたい人に売りたい本だったらまた違うだろうし。

まーそこまで細かい設定はなく、とにかく書店員が人に薦めたい本ということなんだろうけど、毎年微妙にターゲットを変えている気もする。

僕が予想するに今年のテーマは、「読書に興味がない女子高生に売りたい本」だと思う。

女子高生には失礼だが、そんな小説だった。

『告白』が受賞したときにも思ったが、本屋大賞ももう期待できないな。

 

 

ではまた。

 

 

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2011年2月11日 (金)

池井戸潤『オレたち花のバブル組』

を読んだ。

 

かなり面白かった。これはバブルの頃に大手銀行に入行した男たちの物語。どうやらシリーズの二作目のようだ。今回はとある融資先の経営状態を巡って、金融庁と対決する話だった。そこに、行内の不正や派閥争いなどが複雑に絡み合い、何ともスリリングな展開になっていた。これだけの話を考えられるって、すげーと思う。

しかもこの金融庁と直接対峙することになる半沢って男がかっこいいのなんのって。

 

「オレは基本的には性善説だ。だが、やられたら、倍返し―――」

 

~池井戸潤『オレたち花のバブル組』より~

 

これは半沢が行内の不正を問い詰めた時に言ったセリフ。意図的に誰かを貶め、自分の利益を確保しようとした人間を半沢は許さなかったというわけ。

別に自分から攻撃を仕掛けることはないし、おそらく出世欲がそれほどあるわけじゃない。自分から仕事を取りに行くわけでもない。でも、やらなければならないことはやるし、やるならとことんやる。そして、もしケンカを売られれば絶対に買う。泣き寝入りや見て見ぬふりはしない。自分も守るし、仲間も守る。

はーかっこいいね。

僕も見習わなきゃな。

 

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おススメ!

 

 

あ、もう一個言いたいことが・・・

僕が買った文庫版には帯がついてたんだけど、そこには池上彰の推薦が書いてあった。

 

池上彰氏賞賛

「優れたビジネス小説は、小説として秀でるだけでなく、業界を詳しく学ぶことができるもの。楽しみながら、金融業界を知りましょう」

 

池上彰の言葉なのか編集者の言葉なのか知らないが、人を馬鹿にするのはいい加減にした方がいいと思った。一瞬買う気が失せたほどだ。

でも帯に騙されちゃいけない。帯に書いてあることは実にくだらなくてクソみたいなことだけど、中身はいいから。

 

 

ではまた。

 

 

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2011年2月 6日 (日)

山下貴光『少年鉄人』

を読んだ。

 

『屋上ミサイル』『ヒーローごっこ』に続く3作品目。

小学6年生の少年少女の物語だった。地味な太一にガキ大将の和真、優等生の義之と千秋。彼らのクラスに関西弁の転校生、鉄人がやって来るところから話は始まる。ただのクラスメートだった彼らは鉄人を中心に友達となり、様々な問題に立ち向かっていく。

鉄人の「世界を変える」の言葉に巻き込まれるように。

 

とても面白かった。相変わらず登場人物が爽快で気持ちがいいし、ユーモアも豊富だ。ラストはさすがにやり過ぎだろと思ったが、たぶん作者はそのやり過ぎも自覚していてやっているんだろうなと思えて、それもまたよかった。

 

これまでの作品でもそうだったけど、山下貴光の小説には「なるほどねぇ」と思えることがたくさん出てくる。それもとても面白い。

例えばこれ。

 

(前略)

「強さというものは」仙人が話をつづける。いろいろなものを見てきたのだろう小さな瞳が、こちらを見つけていた。「生まれた時から、みんな同じ量だけ持っている。それが雄々しくもなり、下品にも変わる」

 嘘だ、と叫びたかった。どう考えても鉄人や和真、それから義之の強さが、自分と同じには思えなかった。千秋にしても、ぼくよりも強い気がする。

「だが、な」仙人が声の調子を落とした。「強さは奪われ、なくしていくものなんだ。何かを諦めるたびに、何かから逃げるたびに、強さは失われる」

(中略)

「強さとは身につけるものではなく、守るものだ」

 

~山下貴光『少年鉄人』より~

 

なるほどな、と思った。強さは身につけるものではなく、守るもの。何となく納得感があった。そうすると、よく「強くなった」とか言うことがあるけど、それは「強さを取り戻した」ってことなんだな。うん、強さってそういうもののような気がする。強さなんて付け足していけるものであっていいはずがないよな。そんなことができたらこの世はピッコロ大魔王の思うがままだよ。

 

あともう一個。これはラストの方の一幕。

 

「友達の友達は、友達」そこではじめて喧嘩屋さんが、忍者さんのほうに視線をやった。「あなたの思考はとてもシンプルだ」

「悪いのかよ」

「シンプルさの利点は壊れにくいことです。友情を語るには一番いい」

 

~山下貴光『少年鉄人』より~

 

これも「はぁ~、なるほどねぇ~」と思った。シンプルは壊れにくい。じゃあこの複雑になり過ぎたこの社会ほど脆いものはないな。危ない危ない。僕はなるべくシンプルに生きて、死ぬまで生き抜こうと思う。

 

 

さて『少年鉄人』。愉快な少年たちと愉快な不良たち、たこ焼き屋に弁当にゴリラに幽霊が出てくる楽しい小説だ。

それなりにお勧め。

 

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ではまた。

 

 

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2011年1月31日 (月)

本屋大賞2011ノミネート作品

が発表されてた。

あまりこういうのは気にしない方なんだけど、ちょっと気になってHPを覗いてみた。

2011のノミネート作品は以下の通り。

 

■『悪の教典』
著/貴志祐介(文藝春秋)

■『錨を上げよ』
著/百田尚樹(講談社)

■『神様のカルテ2』
著/夏川草介(小学館)

■『キケン』
著/有川浩(新潮社)

■『叫びと祈り』
著/梓崎優(東京創元社)

■『シューマンの指』
著/奥泉光(講談社)

■『ストーリー・セラー』
著/有川浩(新潮社)

■『謎解きはディナーのあとで』
著/東川篤哉(小学館)

■『ふがいない僕は空を見た』
著/窪美澄(新潮社)

■『ペンギン・ハイウェイ』
著/森見登美彦(角川書店)

 

この中で僕が読んだことのある本は、『錨を上げよ』と『ストーリー・セラー』。まぁどちらも大賞を取るほどのものじゃないと思う。

悔しいのは『ペンギン・ハイウェイ』が入っていること。

なぜ悔しいかというと、書店でみかけてから、そのタイトルだけで読んでみたいとずっと思っていたにもかかわらず、今の今まで読まずに来てしまった本だからだ。それが僕の知らないところで人気になっていて本屋大賞にノミネートされてしまっている。もし読んでれば、「俺は売れる前から知っていた」とか言えたのに。

まぁ別にそんな自慢がしたいわけじゃないけど、やっぱ面白い小説だったのかと思うと悔しい。今からでも遅くないか。読む本がなくなったら買うことにしよう。

 

それにしても有川浩が2つも入ってるのが凄いな。何個か読んでるけど、僕はあまり好きじゃないんだよな。軽すぎるっていうか何て言うか・・・。女の読者に人気出そうな感じかも。知らないけど。

 

あと貴志祐介がよく売れてるみたいだね。僕はまだ1つも読んだことないんだけど、悪くないらしい。いつか読んでみようと思う。

 

さてどれが獲るのか本屋大賞。もし『ペンギン・ハイウェイ』が獲ったらウキー!ってなる。

 

 

ではまた。

 

 

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2011年1月21日 (金)

堂場瞬一『チーム』

を読んだ。

 

やっぱりスポーツ小説はズルいな。絶対に外れない。やっぱり面白かった。僕の場合、どうしても外れを避けたければスポーツ小説を読めばいい。もうこれははっきりした。

これは駅伝の物語だ。しかも箱根駅伝。三浦しをんの『風が強く吹いている』と重なるところがあるが、題材が違う。三浦しをんのは、弱小チームをゼロから立ち上げて箱根駅伝を目指す物語だったが、この『チーム』は、箱根駅伝に出場できなかった大学のランナーで構成される学連選抜が題材なんだ。

ただでさえ予選落ちした直後でモチベーションを上げればいいか分からないランナー達が集まってくるのに、寄せ集め感はどうしても拭えない。とてもこんなものはチームとはいえない。そこからスタートする。

キャプテンの苦悩、監督の苦悩、エースの傲慢と軋轢。そして怪我。さまざまな問題を抱えながら学連選抜がトレーニングし、議論をし、チームになっていく様を描いている。

レース中の描写も、展開も、とても良かったと思う。

感動的な話ではないが、読んでよかったと思う。

少なくとも来年の箱根駅伝は、いつもと違った目線で学連選抜チームを見ることだろう。

 

小説ってのはいいなと思った。

物語を読むことで、他人の人生を想像することができる。色々な人がいることを知れば、たぶん人は優しくなれる。

小説家は偉大だ。

 

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ではまた。

 

 

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2011年1月18日 (火)

和田竜『小太郎の左腕』

を読んだ。

 

あの『のぼうの城』の作者の二作目だ。今回も戦国時代を描いた時代小説だった。

読む前から、あの作者なら外れはないだろうと思っていたけど、その通りだった。面白かった。はっきりいって『のぼうの城』には遠く及ばないけれど、面白かった。

タイトルにある小太郎とは、猟師の子で、悪魔が宿ったような種子島(鉄砲)の腕を持っている。もちろん左利きだ。

「左構えの種子島」

小太郎がこれを手にしてその腕を世に知らしめた時、戦局が変わりそれぞれの人生が変わる。そこで繰り広げられる策略や心の迷いが描かれていて、ラストの生々しさと清々しさは何ともいえないものがあった。

 

とはいえ、正直物足りなさもあった。何となくだけど、中盤以降はどうも物語の展開を急ぎ過ぎているような感じがした。描写が少なくなり(もともと少ない人なんだろうけど)、どんどんどんどん話が進んでしまう。もっと心理描写をしたり、進行にあまり関係ないエピソードとかもあったらもっと面白かったろうにと思った。偉そうに。

 

でも和田竜。面白い。

ちなみに竜は、「りょう」と読むらしい。

ずっと「わだりゅう」って言ってた俺アーメン。

 

小太郎の左腕 Book 小太郎の左腕

著者:和田 竜
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ではまた。

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2011年1月 9日 (日)

最近の読書

久しぶりに、最近読んだ本について書いてみよう。

といっても、読んだ本全部について書くわけではない。つまらなかった本の批判はしないことにしている。

 

まず『ワイルド・ソウル(上)(下)』を再読した。垣根涼介の作品の中で一番好きな小説だ。

戦後の移民政策の被害者の2世が、外務省と当時の関係者に復讐する話だ。

復讐の話のくせに、湿っぽくならないところがとても良かった。2回目も変わらずに、楽しく読めることができた。やっぱりお勧めだ。

 

 ワイルド・ソウル 上 ワイルド・ソウル 上
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次は伊坂幸太郎。小説ではなく、河出書房出版の『総特集 伊坂幸太郎』というムックと、『3652』というエッセイ集を読んだ。

僕は今まで、小説に限らず、作り手の思いとか狙いを聞いたり見たりするのが嫌いだった。たまに歌手が歌う前に、「こういう人に聞いてほしいです」とか言ってるのを聞くと、なんか違うなぁと思っていた。だから伊坂幸太郎が語っているのも積極的に読もうとは思わなかった。でも何か手に取ってしまった。一つは、この本を見つけたシチュエーションだ。

立川に、なぜか僕が伊坂幸太郎の新作を見つける本屋がある。僕は雑誌とかネットで新作をチェックしているわけではないから、いつも本屋を徘徊して見つけた本を買うようにしている。だからいつも、たまたま入った本屋でたまたま見つけた本を買うわけだ。この立川の本屋は、そんなしょっちゅう行くわけではないのに、行くとなぜか伊坂作品を見つけてしまうのだ。『フィッシュストーリー』、たとえば『モダンタイムス』、『あるキング』、このあたりはこの本屋で買ったと記憶している。そして最近また行ったときに、この2冊を見つけた。これは買うべきなんだろうと思ったわけだ。今までのポリシーなんて関係なかった。

2冊を読んで思ったことは、伊坂幸太郎って別に普通の人だなということ。なんかありきたりな感想だけど、正直そう思った。別に天才ではなく、ただ小説が好きでだから書くんだろうなぁと思った。

そしてそんな伊坂幸太郎のエッセイを読んでいて、僕もなんか書いてみたいなと思えてきた。一日ちょっとずつでも、書いてみようかな。たぶん書かないんだろうけど。

ちなみにムックの方には、伊坂幸太郎が18歳のときに書いた短編を、当時のプロットをもとに書き直した作品が載っていた。別になんてことない話だったが、18歳のときに物語を作っていたのかと思うと、やっぱり小説家になるべくしてなったのだろうなと思った。

 

3652―伊坂幸太郎エッセイ集 Book 3652―伊坂幸太郎エッセイ集

著者:伊坂 幸太郎
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あと、吉田修一の『パレード』をさっき読み終わった。

男女5人の若者の共同生活を描いた作品で、その設定を見た時点で買ってみようと思った。最初のページを読んだだけで面白そうという感触はあった。そして実際、面白かった。でも、進めば進むほど、小説の印象が変わっていった。ユニークで爽やかなイメージが、こっちの思い違いだったことに気づかされる。川上弘美の解説の初っ端に「こわい」という言葉があったが、僕もそう思った。特に最後の章なんか、もう怖いとしかいいようがなかった。一見ユニークで爽やかで面白そうなのに、その実際は怖い。そんな5人の共同生活。

読んでみてもいいと思う。が、特別推薦したいというわけでは、ない。

 

パレード (幻冬舎文庫) Book パレード (幻冬舎文庫)

著者:吉田 修一
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さてこれで読む本がなくなった。

明日は休日出勤をするんだけど、行きの電車で読む本がない。家にある本を読み返すか、調布の本屋で新しいのを買ってから電車に乗るか。

うーん、何となく読んだことないのが読みたいな。

おし、明日新しいの買おう。その時にピンときた文庫を買おう。

 

 

ではまた。

 

 

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